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クリエイターの側から未来を作る。foriio4年目の意思表明

クリエイターの側から未来を作る。foriio4年目の意思表明
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こんにちは。クリエイター向けポートフォリオプラットフォーム『foriio』を運営する、foriio代表の山田寛仁です。

僕たちは2021年7月に資金調達を発表しました。今回の調達は事業の成長が一定見え、急拡大に向けてアクセルを踏み込む準備を整えるものです。

創業から4年、ここまでforiioはシンプルにひとつのことだけを重視し、突き進んできました。それが、「クリエイターファースト」の姿勢です。

事業成長が決して順調じゃない日々も、コロナで窮地に追いやられた時も、この姿勢だけはぶらすことなく、突き進んできました。

本noteでは、何かしらの形でforiioに興味を持っていただいた方、お仕事をご一緒するクライアント・パートナーの方、そしてこの先ご一緒するかも知れない方に向け、foriioのこれまでとこれから、そして大切にする価値観をお伝えできればと思います。

「クリエイティブ業界に恩返しがしたい」想いから始まった、ポートフォリオサービス

foriio(当時は1ne Studio)は2017年12月に創業しました。

「個のクリエイターのエンパワーメント」という言葉を掲げ、『foriio』という1プロダクトにフォーカスし事業を展開してきました。

クリエイター向けの事業を展開しようと考えた背景には、僕自身が広告業界を中心にデザイナー・アートディレクターとして10年近く働いた経験があります。

クリエイティブ業界に恩返しがしたい 〜foriio β版リリースに寄せて〜

当時の広告業界では、オンライン上にポートフォリオを持つクリエイターは本当にごく一部でした。その背景には、簡単に作れる手段やデジタルリテラシーがないといった状況や、自身が手がけた仕事のデータ等も手元にないという業界の不均衡なパワーバランス、それらによって仕事を好きに選べず、負のループに陥ってしまう構造など、複合的な課題がありました。

他方で、僕自身を振り返ってみると、働く中で特に良い経験になったと記憶に残っているのは、いずれも「良いクライアント」や「良いプロジェクト」との出会いだった。その仕事やクライアントが、僕のクリエイター人生を良い方向に引き上げてくれたんです。

つまり、良いクライアントやパートナーに出会えること、クライアントを選べるようになることがクリエイター人生にとって重要である。先述の複合的な課題も踏まえると、これらはポートフォリオによって解けるのではないかと考えました。

ポートフォリオを通し、クリエイターの選択肢を増やしたい。ポートフォリオを「クリエイターにとってのパスポート」として、存在証明であり、世界中誰とでも仕事ができる窓口にもなり得るものにしたい。

そう考え、“世界でいちばんやさしいポートフォリオ”という言葉を掲げ、『foriio』をスタートしました。

常に「クリエイターファースト」で歩む理由

2019年1月にβ版を公開。その後、高機能版の『foriio PRO』、クライアントと登録クリエイターがマッチングできる『foriio match』、企業向けに実績・スキル・ナレッジの共有で活用する『foriio team』など、ポートフォリオサービスを基軸にいくつかの事業を展開していきます。

その中で、foriioが重視したのは「クリエイターファースト」の姿勢でした。

一般的に、僕たちのようなスタートアップは初期フェーズは赤字を積み上げつつ、様々な事業の可能性は模索します。その中で、勝ち筋を見つけると一気にお金と人をつぎ込み、垂直に事業を立ち上げていく。いわゆるJカーブと言われる成長を求められます。こういうと、「売上を最も効率良く上げられる方法」を重視してるように捉えられるのですが、僕たちはそことは違うロジックを重視しました。(※もちろん、投資家の方々の理解があってこそです)

なぜなら、foriioは明確に「クリエイターのためのプロダクト」だから。クリエイターから支持を得られなければ何も価値が積み上がらないですし、ビジョンの達成へも近づかない。事業成長が必要なのはあくまで“僕たちの都合”でしかありません。クリエイターにとっては関係ない。

だからこそ、あらゆる意志決定の局面で「クリエイターファースト」を重視しました。

例えば、会員獲得。事業効率だけで考えれば広告などを使い短期的に刈り取るほうが効率が良い側面もあります。しかし、僕たちはオーガニックでの成長にこだわりました。広告によって実態と乖離し会員数が伸びてしまうと、プロダクトがクリエイターのニーズに応えられるものになりきってないのに、事業は進捗しているように見えてしまう恐れがあったからです。

だから、進捗は少し遅れようともユーザーにとって使いやすいプロダクト開発に力をいれつつ、使いやすさや意義に共感して活用し、周囲にも勧めてくれるような方を増やすことに注力しました。その結果、ユーザー数は堅調に増加。著名クリエイターの方に利用いただける事例も徐々に増え、それが周囲へも波及。一定規模からは加速度的に伸びていくようになりました。

売上獲得に関しても同様です。ここでも、あえて「大きな施策」は講じていません。toC(foriio PRO)であれば、必要と感じる人が末永く活用いただける状態が最優先。短期的な売上は無視してプロダクトをしっかりと磨き上げていきました。

toB(foriio match, foriio team等)であれば、クリエイターが活躍できる機会を提供いただける企業とご一緒するのが不可欠。そのためには、とにかく数を集めるようなことはせず、泥臭くドアを叩き、ご一緒できる可能性はあるか地道に膝を突き合わせていきました。

この姿勢が表れた最たる例が、2019年11月に開催した、foriioユーザーの方を集めた企画展『私はこんな仕事がしたい展』です。イラストレーターのサタケシュンスケさんがはじめた「#私はこんな仕事がしたい」というハッシュタグがきっかけで生まれたイベントで、総勢215名の方の作品を無料で展示しました。

シード期のスタートアップにとって、あの規模のイベントを開催するのは正直かなりの勇気が必要でした。支出額は決して小さくないにも関わらず、費用対効果はほぼ見えない。でも、あのイベントは「クリエイターの“やりたい”という気持ちをとにかく後押ししよう」という気持ちから生まれたもので、僕らの「クリエイターファースト」の姿勢が結実した事例でもありました。

コロナショックに揺れた現場のリアル

ただ、その数ヶ月後から僕たちは大きな変化に飲まれていきます。新型コロナウイルスの影響です。

とくに、緊急事態宣言が発令された2020年4月以降は、家から出られず、人ともほぼ会えない。予定されていた案件も次々と「ストップ」と連絡が届きました。

これは、僕たちはもちろん、多くのクリエイターにも大打撃を与えます。

クリエイター業界の中には、アナログな商慣習を持つコミュニティが少なくありません。僕が以前関わっていた広告系の場合、要所要所にいるハブのような人を中心にコミュニティが形成され、その中で新たな機会をもらえたりしていた。オフラインの関係に依存度が高かったんです。それがコロナで一気に難しくなった。もちろん、「ブックを持って回る」といういわゆるの営業活動もできません。

デジタル領域やインハウスの方だとあまりイメージが沸かないかも知れません。ですが、少なくともヘアメイクにスタイリスト、フォトグラファー、照明さん….といった対面で働く前提のクリエイターさんは大きな打撃を受けることが容易に想像できました。

そこで僕たちは、緊急事態宣言が出てすぐ「現場はどうなっているのか」と、様々な職種のクリエイターの方と対談するYouTube配信を行いました。10人の方と毎晩1時間ほどお話しし、現状と展望を伺ったんです。

【緊急企画】怒涛の十番勝負!クリエイティブ界隈のみんな今ぶっちゃけどんな事になっているのかforiio山田がサシで聞き、本音トークする10夜!

・コロナ舐めてた?

・コロナは自分の仕事をどう変えるか

・〜のクリエイティブに関わる人としてやってる事

1夜目は前田さんにガチンコで聞きます! pic.twitter.com/6EnarAJWyK

— Hiro Yamada|foriio CEO (@hirohito_y) April 11, 2020

すると、やはりみなさん相当な影響受けていた。フォトグラファーのクロカワリュートさんやアートディレクターの上司ニシグチさんにも出演いただきましたが、お二人のように発信力のある方でも「内心相当焦っている」とお話をしていました。

であれば、そこまで発信が得意ではない人やSNSなどでレバレッジを効かせられない人は、より緊急度が高いはず。そこで、すぐにでも僕たちにできることをと考え、PRO機能1カ月無料キャンペーンを展開しました。「オンラインでの営業ツールとして活用して欲しい」という思いではじめたのですが、開始直後からPROの登録者数は月次で2倍に増加。皆さんのお話の現実味が一気に増していきました。

営業以外、あらゆる部署を解散する緊急事態

他方で、実は僕たち自身も苦境に立たされました。

次ラウンドの資金調達、新規営業の双方が全面ストップになってしまったからです。外出が一気に難しくなるとともに、どんな相談も「今は判断できない」とみな口を揃える状態でした。

特に、営業活動の影響は大きかったです。営業先開拓のために参加予定だったイベントがすべて中止。稼ぎ頭だったforiio matchの成長が、一気に暗礁に乗り上げてしまいます。

それと並行し、資金調達もストップしたため、キャッシュフローも一気に厳しい状況へ。

2月、僕は大きな判断をします。

それはPRやマーケティング、バックオフィスといった部署の全面解散。もちろん、契約条件の中でですが、「短期で売上を作れる」ロール以外は一旦すべてストップ。残った社内は全員が売上作りだけにコミットすることにしました。

ここまで時間と人、予算をかけて積み上げてきた「クリエイターファースト」の姿勢を表す活動も、すべてストップさせなければいけませんでした。もちろん、営業活動においては「クリエイターファースト」を重視し続けましたが、『#私はこんな仕事をしたい展』のような、対外的な活動はすべてストップです。僕たちにとっては、「中長期目線でやれば必ず返ってくる」と信じていた活動。それだけの思いがあったものさえ、止めざるを得ない、生きるか死ぬかの状況でした。

「デジタル移行」という新たな可能性

営業に注力を始めてすぐ、僕たちはあることに気づきました。それは「打撃を受ける企業ほど、動きが速い」ということ。各社とも一旦はすべての活動を止めていたものの、影響の大きい企業ほど、即座に次の動きを考えてトライアンドエラーをはじめていました。

例えば、イベントなどの興行関係やリアルに軸足をおく、エンターテイメント関連の事業者。コロナでリアルでの興行が開催できなくなるものの、「イベントや興行の開催自体」が事業なので、やめるわけにはいけない。即座に違う形の試行錯誤を始めていました。

そのひとつがオンライン配信です。例えば渋谷にスペースを持ちイベント事業を展開していたいITイベント検索サービス『TECH PLAY』を運営するパーソルイノベーションさんは、コロナ禍でオンライン配信へ軸足を移行。僕たちはその移行にあたって生じるさまざまな「ものづくり」を支援させていただく機会を得ました。

また、「オンライン前提」の事業に力点を置いた企業もいらっしゃいます。コロナ前からYouTuberのエージェント事業を立ち上げたソニーミュージックエンタテインメントさんもその一例です。

会社の屋台骨である興行が打撃を受ける中、YouTuberは家からでも配信できますし、在宅で視聴者数が伸びるという観点では追い風の側面もある。この機にしっかりと立ち上げねばと力を入れられました。僕たちは、そのクリエイティブ周りをサポートさせていただいています。

そこから「デジタルへの移行」を軸にクライアントを拡大。イベントやエンタメを中心に、これまでリアルで価値を届けていた企業がデジタル上で価値を届けるためにできることを支援していく動きを増やしていきました。

オフラインと同様にオンラインで体験を届けるには、サムネイルやモーション、プロモーション用のLPと言ったクリエイティブ制作が必要なのはもちろん、撮影、映像制作、編集など多様なクリエイターとの協業も必須。

かつ、多様なクリエイターが入り乱れるので、セレクションやマネジメントの難易度も高い。その部分をforiioが一括で担わせていただけました。

原体験への敗北

結果的に、売上的にはなんとか復調、直近ではさらに成長してきています。

ユーザー側を見ると、コロナ禍以降会員数の増加率は2倍に。正直、あまり手を打てなかったにもかかわらず、成長角度が高まったまま伸び続け、直近では31,000人を突破(※2021年8月現在)しています。なんとか再び戦える状況に戻ってきました。

ただ、この1年の経験は正直とても悔しいものでもありました。本来、foriioはこの危機的状況にクリエイターを最大限支援すべき立場。にも関わらず、僕ら自身がコロナの影響をもろに受け、foriioを提供し続ける以外ではほぼ身動きがとれなかった。

これは、僕にとって原体験への敗北も意味します。

冒頭、「クリエイティブ業界への恩返し」という文脈でforiio創業の経緯を書きました。ポートフォリオサービスを立ち上げた理由はその通りなのですが、僕自身が「起業家」を志したのは、東日本大震災が原点にあります。

未曾有雨の災害に、原発の問題、当時は数多の課題が複層的に表出していました。20代前半だった僕は、通訳やボランティアといった範囲で支援はしたものの、同時に、幾度もその“できること”の小ささに無力さを感じました。

大きな課題が目の前に立ちはだかった時、もっと大きな貢献をできるようになりたい。その思いが、僕自身をデザイナーから起業家へと推し進めました。しかし、コロナという大きな課題を前に、僕は今回何もできなかった。こんな思いは、もう二度としないと心に誓いました。

クリエイターの側から未来を実装していく

だからこそ、foriioはもっともっと速度を上げて成長しなければいけない。次にクリエイターが危機的状況に瀕したとき、僕らは支える存在であるために、です。

そこに向け、僕たちは今年7月に資金を調達しました。これを元手に真っ先に注力するのは、引き続きforiio matchです。ここでも「クリエイターファースト」の姿勢は変わりません。

現状foriioを使っていただいている3万人というユーザー数はかなり大きなものですし、このまま行けば国内トップのポートフォリオサービスと名乗れる日もそう遠くないでしょう。その中で、foriioを使ってもらう、使い続けてもらう理由として「案件を受けられる」「企業とマッチできる」というのは大きなものになる可能性が高い。

そこに向け、マッチング総数、総流通額を伸ばすとともに、マッチ度向上にも尽力。クリエイターに使い続けてもらえる盤石な足場を固めようと考えています。

その土台が固まれば、案件のマッチだけではなく、就職やナレッジシェア、教育など多様な可能性も見えてくる。そのファーストステップがforiio matchの拡充です。

もちろん、その先には、「クリエイターが世界中で活躍する時代をつくる。」というビジョンを見据えて、次々と手を打ちます。ただ、いずれの場合でも「クリエイターファースト」の姿勢は変わりません。僕たちは常にクリエイターの側に立ち、未来をつくっていきます。

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