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【#私はこんな仕事がしたい展】トークセッションレポートvol.8:「ライター・編集者がポートフォリオを使う理由」

【#私はこんな仕事がしたい展】トークセッションレポートvol.8:「ライター・編集者がポートフォリオを使う理由」
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2019年11月29日(金)より3日間に渡って開催された「#私はこんな仕事がしたい展」。その中で行われた8つのトークセッションの模様をひとつずつお届けする不定期連載、今回は最終回となる第8弾です!

■小山和之さん×中村洋太さん「ライター・編集者がポートフォリオを使う理由」

最後となるトークセッション第8弾は、株式会社weaving代表・小山和之さんと、フリーランスのライター・中村洋太さんのお二人。実はforiioを使ってくださっているクリエイターの中でも意外と多いのがライターさん、そして編集者さんなんです。そんなポートフォリオ活用術から仕事に臨むスタンスまで、実際にforiioを活用しているお二人にお聞きしました!

■登壇者のご紹介

小山和之さん
1989年生まれ。Apple Retail、建築の意匠設計、デザイン会社でPjM/編集者、フリーランスの編集者を経て、2018年にデザイン・ビジネス領域に特化の編集ファーム「weaving」を創業。
取材執筆、メディア運営、発信支援に従事。デザインビジネスマガジン”designing”編集長。株式会社インクワイア所属。


中村洋太さん
旅行情報誌の編集とツアーコンダクターとしての経験を経て、2017年よりフリーランスのライターとして活動。これまでに自転車で世界1万キロ以上を旅しており、西ヨーロッパ12カ国一周、アメリカ西海岸縦断、台湾一周のほか、徒歩で東京から大阪へ「東海道五十三次600kmの旅」も。
ソフトバンクニュースをはじめ様々なメディアで執筆するほか、モデルとしても活動している。現在は朝日新聞デジタルで連載中。

■異業種からライターへ。書き続けて独立した二人

実はもともとライター・編集者とは全く異なる業界での仕事についていたという共通点もあるお二人。お仕事として記事を書くようになったきっかけは何だったのでしょうか?

小山和之さん(以下、小山):もともと建築の意匠設計をやっていて、その後デザイン会社に入り、2018年にweavingを立ち上げました。新卒1年目の頃からずっと副業としてライターをやっていましたが、ここ数年編集者やライターのギルド化、フリーランスの人や副業の人が集まって一緒に会社をやっていくといった流れがあり、その流れの中で今の形にたどり着きました。副業をしていた当時は月に20本ほど書いていて、さすがに「これ、会社辞めないと死ぬな」と思いましたね(笑)。
今は自分の会社をやりつつ、インクワイアでの仕事もやっています。僕は特定の業界に深く入り込むタイプの仕事が多く、手掛けた記事では、デザイン業界の人なら読んだことがあるものも多いと思います。
ただ執筆自体は業務全体の3割程度で、メディアの編集業務や企業の情報発信のための企画、その運営を一緒にやることのほうが多いですね。企業のコーポレートサイト内の記事の企画・作成、全体の発信計画などのお手伝いをしています。
※foriioでもBehind the creativityページの運営をサポート頂いています!Behind the creativityクリエイターの制作の裏側に迫る特集「Behind the creativity」や、foriioに投稿された中から作品をピwww.foriio.com

※そんな小山さんのforiioはこちら。小山和之|weaving – foriioweaving inc.代表取締役/ designing編集長。 1989年生まれ。Apple Retail、建築の意匠設fori.io


中村洋太さん(以下、中村):もともとは早稲田大学創造理工学部で土木を学んでいました。建設会社などの一般的な就職先にあまり興味を持てなかったのですが、一方で大学時代に旅行にハマり、20代のうちに色々な世界を見てみたい、たくさんの国に行きたいと考え、旅行会社の海外添乗員の職を選びました。ただ、学生時代にもblogを書いていて、文章を書くことが好きだったので「旅」と「書くこと」を両立できる方法を考えた結果、自社で発行していた旅行情報誌の編集・ライティングにも同時に携わるという仕事の仕方をしていました。
独立したのは2017年の1月。最初の3ヶ月間は本当に仕事がなくて、月収ゼロで貯金を切り崩しながら生活していました。それでも「仕事をください」ではなく「自分で面白い活動をして、向こうから仕事が来るように仕向けられないか?」と考え、夢だった「東京から京都まで東海道五十三次を歩く」という企画にトライしてみたんです。でも歩くだけでは面白くないし、何か絡めたい、掛け算をしたい。そこで、当時ブームになり始めていたクラフトビールの情報を道中で拾いながら歩くという形にしました。五十三次にかけて「クラフトビール自体も53杯注ごう」と(笑)。各地のクラフトビールをblogで紹介していたら、全国のクラフトビールファンと繋がることも出来ました。
その2ヶ月後にやったのが2,500kmを超える自転車でのアメリカ縦断。「ライフガード」(飲料)のチェリオコーポレーションさんが特注で作ってくれたジャージを毎日着てblogで発信しながら旅をしました。ライフガードはアメリカでは売っていませんが、日本向けにPRしたいという想いと合致したんです。
そんなことをしていたらTABI LABOさんから記事執筆の依頼が来ました。それがフリーランスとして初めてのライティングの仕事です。これがかなりバズり、数十万ものPVを獲得。今でも「あの記事読みました!」と言ってくださる方が多く、仕事に繋がったりもしています。
19年3月にはforiioさんにもインタビューして頂きましたし、阪急交通社さん、朝日新聞社さん、ソフトバンクさんなどいわゆる大企業さんからお仕事を頂く機会が増え、旅行だけでなくビジネス系の記事も書くようになりました。今は、朝日新聞デジタルの「&TRAVEL」という旅行メディアで連載記事を書いています。こうした仕事をforiioにまとめています。
※中村さんのforiioページはこちら。中村洋太 – foriioライター 1987年、神奈川県横須賀市出身。2011年、早稲田大学 創造理工学部卒業。旅行情報誌の編集とツアーコンダクタwww.foriio.com

■次の仕事へと繋げる、先を見越した仕事の受け方

異業種からの転身という経歴があるからこそ、「書くことが好き」なだけでなく「書くことを仕事にする」にしっかりと取り組んでいるお二人。仕事の実績が次の仕事を呼び込む、そのサイクル作りについてお聞きしました。

中村:フリーランスになって約3年経ちますが、仕事は主に知人・友人からSNS経由で依頼されることが多いです。僕自身、知らない人から無茶振りされたり、自分の個性を全然知らない人から仕事を依頼されるとけっこう苦しくなってしまう傾向があります。僕の個性や得意な部分をわかってくれている人と仕事をしたいので、できれば知人・友人から受けたいと思っていて、そのためにFacebookで毎日何かしら発信するようにしていますね。
SNSでは自分が書いた記事の紹介がメインですが、それ以外にも「この記事面白いよ」と別の方の記事を紹介したり、記事にはならないけど面白い話、気づいたことなどを出来るだけシェアして、知人とタッチポイントを増やすようにしています。仕事は人からしかもらえないので、SNSで信頼関係を育んでいく。そこで安心感や信頼関係を築いていって、記事を作成する必要性がでてきたら自分の顔を思い浮かべてもらえるようにしています。

小山:僕はTwitter派ですね。ただここに至るまでにフェーズがありました。最初は実績が何もない状態にも関わらずblogを送ってライターを始めたので、「この人は大丈夫そうだ」と思ってもらえるように名前の知られたメディアで書こうと狙っていました。自分で応募するんですが、割と経験が浅くても大丈夫だったり、複数のメディアを運営している会社内では編集者同士が知り合いだろうと考えて、そこから広げていったりしましたね。
最初はROOMIEというライフスタイル系メディアから始まり、その後GIZMODO JAPAN、Business Insider Japan、ライフハッカーなど。書くメディアは広がっていったので、次はどういうことに関わりたいかを考えて、そこでTHE BRIDGEのライターに応募しました。そのあたりからは向こうから相談が来るようになっていきましたね。依頼はほぼ断らないようにしていました。続く場合もあれば、続かない場合もあるので、まずは試してみるのがいいと思います。

■ライター・編集者にも必須のポートフォリオ

「ライター・編集者のポートフォリオ…?」一瞬イメージが湧きづらいかもしれませんが、執筆ジャンルやバリエーションの広さを伝えるなど、実はポートフォリオはとても実用的。お二人はどのように使っているのでしょうか?

中村:知らない方との仕事はかならずや発生するものですが、「今までどんな記事を書いてきたんですか?」と言われた時、foriioのURLを送ればすぐに見てもらえるのでとても楽になりました。それまでは手打ちで記事を紹介していたり、とにかく不便。blogの中にポートフォリオを手作りし、記事のタイトルを書いて、そこに飛べるようURLのリンクをかぶせる、ということをやっていました。ただそれだとサムネイル画像が見れないのでどうしてもインパクトが弱く、なかなかクリックされない。さっき見て頂いたようにforiioだとサムネイル画像が出るので、見てもらいやすくなったんだと思います。サムネイルが出ると全然印象が違いますよね。本当に求めていたサービスだと一瞬で思いました。

小山:僕はずっとblogを作ってきた中で、意識して記事のパターンが出せるようにしたいと思っていました。ライターを始めた人がまず取り組みやすいのはデスクリサーチ記事、そのあとイベントレポートだったり、インタビュー記事だったり。それを一通り出来たら、バリエーションで見せられるよう意識的にポートフォリオにまとめるようにしていました。また、取りたい仕事がインタビューの時は、インタビュー記事に絞るなどもしていましたね。ポートフォリオは自分の持つバリエーションをみせるのに効果的です。

■「自分にしか出来ない仕事」を見つめ抜けば、「独自性」が見えてくる

ある意味パソコンさえあれば誰でも始めることが出来る「執筆」。そうした中で、ライター・編集者として独自のポジションを築くために、どのように仕事に取り組んできたのでしょうか?

中村:現在4,5社の企業の記事を書いていますが、ライターとして意識していることは、まずクライアントがその記事でどんな目的を果たしたいのか。ちゃんとヒアリングして、話し合って、その目的を絶対に外さない。そしてクライアントが「こういう記事を作りたい。そのために中村さんを指名した」というのをわかったうえで、その本質・核心からブレさせず、尚且つ自分の個性を出していくよう意識しています。自分以外のライターさんに頼めば成立してしまうアウトプットだと「来月は別の人で」が出来てしまう。「自分にしかできない、替えの効かない仕事」を意識しています
僕の場合先ほどの旅などがそうですが、自分がメディアに出ていく、自分自身が体現して主観を出していくなど、自分をコンテンツ化出来ているのは強みかなと思ってます。あと、絶対僕髪が薄くなっていくだろうと感じていて、それすらもコンテンツにしたいと思っています!(笑)育毛剤の販売会社やスキンクリニックからお仕事をもらって、「こんなに髪がふさふさになった!」というリアルなビフォー・アフターを、自分が姿を出した上で書けたらいいなと。それでお客さんが増えるのであれば、自分の原稿料の元にもなるし全然ありですね。

小山:ふたつあります。ひとつは、取り組んでいる仕事がなるべく繋がるようにすること。僕の場合、扱うテーマを「ビジネス」「デザイン」などに絞っています。ある領域を一回取材すると別の領域でもその知識が活きる、ということがあるので、「このテーマだったら、さらに次やるときにお互いに負荷が少ない」「この人はわかっているから、そんなに説明しなくてもいけるな」などのポイントを押さえておきます。
取材もそうですね。昔GIZMODOでApple系のネタを書いていた時があったのですが、噂や情報がたくさん出てるんです。新機種の発売情報など、毎年毎年「この時期はこの噂がまた出るよね」という状況。こういう時、そこまでの文脈を知っていると書くのが凄く早かったり、発注側も依頼しやすかったりするので、いかに「前提を共有している人になれるか」を意識していました。
もうひとつ。僕が今「designing」というメディアをやっているのは、専門性を意図的に伝えるためでもあります。「この領域をわかっている」ことが目に見えてわかるように自分でメディアをやって、twitterでシェアする時もそのテーマに重なるもののシェアの回数を増やすなどしています。このジャンルは、試行錯誤の末に自分の好きな分野から絞りました。最初はライフスタイル系もやっていたし、テック系もやってみたけれどやはりプレイヤーが沢山いる。でもビジネス系にはそんなに若い人がいなかったので、ビジネス系でいこうと決めました。その後、デザイン系の取材をしていると「君、デザイン会社にいたから話がわかるね」と言われることが何回かあり、意外とデザインとビジネス両方について知っていて書けるライターはいないのだとわかってそちらに進みました。ライターの領域は差別化の軸だけじゃなく独自化の軸が必要ですね。

■やりたくない仕事との向き合い方

取り組む案件数の多いライター・編集者にとって、その中にはモチベーションの上がらない依頼もあるはず。一人で言葉と向き合う時間も長い中、どのようにバランスをとっているのでしょうか。

中村:やりたい仕事だけをやりたいというのが理想ですが、これまでには引き受けた後に「ちゃんと考えればよかったな」と思うカロリーの高い仕事もありました。僕はなるべく読み物としての旅行記事を書きたいので、まとめ記事は書きたくない。ただ、知人から手伝ってほしいと言われて受けていたもので、単価が非常に安く、胃が痛くなるような案件もありました。そこで「今後そういう仕事は一切やらないようにする」と決めました。
それ以降、本当に「断ろう」という意思がどんどん強まって、2018年は半年間アルバイトをしながら記事を書いていた時期もありました。やりたくない記事を書くのであれば、アルバイトをしたほうが精神的に楽なんです。アルバイトの経験はいつか記事のネタになるだろう、と前向きに捉えられます。精神的に消耗するものではなく、書きたいものだけを書いて、それでどうしてもお金が足りないなら別のもので補う。フリーランスになってから感じるのは、職場がないので人と雑談する機会がすごく少ないということ。余計ネガティブになりがちなので、そうやって自分でメンタルをコントロールする必要がありますね。

小山:僕の場合は最初副業でやっていたので、お金に困ることはあまりなかったですね。受けなくていいものは受けないようにしたり、受けてしまっても「どうしてもこれはやりたくない」となった場合は、知り合いのライターさんに自分で費用をお支払いしてお願いしたりしていました。

■お二人の「#私はこんな仕事がしたい」

最後はこちら。このイベントのテーマ「#私はこんな仕事がしたい」についてお聞きしました!

中村:ふたつあります。ひとつはビフォー・アフター記事。今「スタディサプリENGLISH」というTOEICの勉強ができるアプリで英語を毎日勉強し、前回のTOEICから何点上がるかビフォー・アフターを追う企画を連載記事でやっています。もともとアメリカのサンディエゴに語学留学していたこともあり、英語はいつかちゃんと話せるようになりたいと何年も思い続けてきて、勉強する機会を求めていたタイミングで運営元のリクルートさんからお話を頂きました。本来ならお金を払って勉強をするところ、お金をもらって勉強しているこの状況はすごく嬉しいこと、幸せなことだと思っています。
こうした形で「ビフォー・アフター記事といえば中村さん」というイメージを確立できれば、ライティングの仕事を通じて自己実現が出来ると思ったんです。例えばABCクッキングだったら「料理が出来なかった人が3ヶ月後こんなに出来るようになりました!」など、自分の体験を通して記事にする仕事をしたいと思っています。
もう一つは旅。旅の記事は新聞社の方からも評価を頂けています。なので、紀行文を書いていきたいなと。「深夜特急」という有名な作品があるのですが、そこで時代が止まっていて、それ以降バイブル的な紀行小説やノンフィクションがあまりない。いずれ面白い旅をして、そのエピソードを本にして、自分を確立できたらいいなと思っています。

小山:このセッションに出るってことがわかってからずっと考えてたんですけど、そんなに無くて(笑)。ただわかりやすいものだと、ひとつは書籍をやりたいなと最近思っています。僕自身、新卒2年目くらいまでは全く本を読まない時期があって、「書籍なんて、別にウェブ記事で十分でしょ」などと思ってたんですが、ある時から「いいかもしれない」と思うようになったんです。著者ではなく、ブックライティングという形で関われたらいいなと思っています。
もう一つは、単発の執筆やメディア運営ではなく、会社自体の発信をどれだけよく出来るか、伴走する形で関わりたいです。PRの方と同じような領域にも入ってくるので少し特殊な形になってしまうんですが、そういったところに入って行きたいと思っています。

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「#私はこんな仕事がしたい展」で行った8つのトークセッションのレポートはこちらで最終回です!最後までお読み頂きありがとうございました!

Text:Shiho Nagashima

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