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【#私はこんな仕事がしたい展】トークセッションレポートvol.1:「好きな仕事だけをやり続けるコツ」

【#私はこんな仕事がしたい展】トークセッションレポートvol.1:「好きな仕事だけをやり続けるコツ」
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2019年11月29日(金)より3日間に渡って開催された「#私はこんな仕事がしたい展」。少し時間が経ってしまいましたが、その中で行われた8つのトークセッションの模様をひとつずつお届けしていきます。「当日行きたかったのにチケットが取れなかった…」という方、こちらのレポートをチェックしてみてくださいね。

■サタケシュンスケさん×柿内奈緒美さん「好きな仕事だけをやり続けるコツ」

30日(土)の11時30分より行ったトークセッション第1弾。約10年前に共通の友人の結婚パーティで出会い、それ以来サタケさんの東京個展で1年に1回は会う仲だというお二人。今年はタイミングが合わずに会えないかもしれない…と思っていた所でのこの共演!との事で、当時のお話から“クリエイターとして好きな仕事をやり続ける”ための経験や考え方まで、様々なエピソードが飛び出したセッションとなりました。

■登壇者のご紹介

サタケシュンスケさん
神戸在住。主な仕事は広告、 書籍等で使用するイラストレーションおよびキャラクターの制作、モチーフは人物や動物が中心。 得意とするジャンルは子育てや教育、ファミリー向けのタッチ。イラストレーターユニットなりゆきサーカス所属。京都造形芸大、 絵話塾などで講師業。3児の父。

柿内奈緒美さん
編集者。ファッション・雑貨メーカーなど数社を経て、クリエティブ会社「ジョージクリエティブカンパニー」、WEBマガジン運営会社「HEAPS」にて勤務。のち、同親会社の新事業として、アートがライフスタイルになるウェブマガジン「PLART STORY」を立ち上げ、創刊編集長に着任。(2016.11〜2019.1)ILUCA magazine創刊編集長(2019.3〜5) 個人ワークとして、アートと伝統・モノづくりを海外発信する日英バイリンガルサイト「KAMADO」始動中。朝と雑誌が好き。

■「#私はこんな仕事がしたい」ハッシュタグを作ったきっかけ

本企画展の大元となったハッシュタグ「#私はこんな仕事がしたい」を発案したサタケさん。その時、「仕事をください」というのは良いことなのか?というテーマでTwitter上でクリエイター仲間と議論をしていたといいます。

サタケシュンスケさん(以下、サタケ):「仕事をください」と言うと、どうしても立場が“下請け”になって良くない人が寄ってきたり、暇だと思われてしまうんじゃないかという懸念があったりしますよね。とはいえ仕事がほしいのは変わらない…。そこで、言い方を変えたらどうか?と思いたち、「#私はこんな仕事がしたい」というハッシュタグが生まれました。お願いする側の立場に立ってもやはり「私がやりたいです」と手を挙げてくれる人に頼むだろう、と。

「#私はこんな仕事がしたい」はみるみるうちに拡散し、その盛り上がりはBuzzFeed Japanにとりあげられるまでに発展。最初は漠然としていた投稿内容も、「この会社の、この商品を、この人と」と、どんどん詳細になり、さながら告白合戦のようなムーブメントを巻き起こしました。
そのムーブメントをTwitter上で見ていた柿内さんも、“依頼する立場”である編集者として、やはり「これを書きたい!」というモチベーションの高いライターさんに書いてほしいと思っているそうで、やはりこうした発信がSNS上でも大切になってきていることがうかがえます。

■努力と工夫の下積み時代

お二人の下積み時代にはどんな試行錯誤があったのでしょうか?それぞれのエピソードをお聞きしました。

柿内奈緒美さん(以下、柿内):10年ほど前に「こういうビジョンで生きていきたい」というものを決め、仕事も決めずに関西から上京しました。大きなシェアハウスで73人ものメンバーと一緒に住み、とにかく東京に集まってくるカルチャーを浴びるように吸収しましたね。上京してから代官山T-SITEに毎日オープンの7時に行って、10冊くらい気に入ったものをSNSにアップする「本日のまがじぃ〜ん」というものをやりはじめました。続けていく中で「早起き」「雑誌好きな人」というインパクトがついて、雑誌で得た情報で色々なところに顔を出して、そこから様々な繋がりが出来ていきました。好きだから継続できる、継続し続けていたから今に繋がっている。仕事に繋がるかはさておきひたすら「好き」を発信し続けていたら、周りの反応が変わってきて「面白い子がいる」と呼ばれることが増えていきました。

サタケ:僕は当初デザイナーとして勤務していた会社を退職後、2年間ほど昼はイラストレーター、夜は夜勤のアルバイトという生活を送っていたんですが、その頃行っていた路上販売で大きな気づきがありました。それは、「誰でもいいから絵を見てください」というスタンスでは響かないという事。そこから、「見てもらいたい人に見てもらう方法」を考えるようになりました。やりたい仕事があるならまずはその仕事を辿って、その仕事は誰が作っていて、誰が関係していて…ということを調べて直接ラブコールを送るようにしたんです。個展を開いてお手紙を書いて、面識のない人にもそれを送っていました。そこからお仕事に繋がった人もいます。「誰でも」から「あなたに」へ、スタンスを切り替えたのが非常に大きかったですね。今は簡単にネットで見られるからこそ、個展などオフラインの場にわざわざ足を運んでもらうことに価値があると思います。

■下積み時代から現在へ、仕事に結びついたきっかけ

こうした下積み時代の積み重ねは、どのように仕事に繋がっていったのでしょうか?

柿内:雑誌を読んでは発信し続け、色々な人からコメントをもらえることは凄く楽しかったんですが、下半身不随になるかもしれないほどの大怪我を負ったこともあり、「これからどうしたら良いのだろう?」と悩んだ時期があります。転機になったのは、2014年5月に少人数のご飯会で、建築家・谷尻誠さんに出会ったこと。一緒にいたシェアメイトが私の苦労話を谷尻さんに話したら、彼に「やるなら今だろ」と言われてスイッチが入ったんです。谷尻さんが大きな会社所属ではなくても自分でポジションをとって走ってきた人だと知り、彼も登壇していたトークイベント「PechaKucha Night(ペチャクチャナイト)」に自分も登壇したり、自分の雑誌をつくるためにクラウドファンディングをしたり、自分も同じように走ろうと思って色々とやりました。
その頃からずっと「やりたいこと」を仕事にするために心がけているのはやはり「ポジションをとる」ということ。自分だけが出来ること、やりたいこと、出来ることをマトリクスとして、その間を取りに行く。そのために様々な人に会いにいって、人を鏡としてみて「自分はどういう人間なのか」を理解する。そうして自分を深掘りして、出来ることと人に頼るべきこととの境を決めています。

サタケ:僕は、「頼まれていないのに勝手に作ってしまう」ことでやりたい仕事に繋がったことが結構あります。様々なツールの登場でものを作ることがどんどん簡単になり、たくさんの方が作れるようになりました。そんな中で受け身で待っていてもなかなか仕事はこないので、「こんなもの作ってみました」と先に作って見せてしまうということを無意識的にやっています。デザイナーさんなら「こんなノベルティ作ってみました」って出してみたり、YouTuberの方なら好きなものの動画CMを勝手に作って企業の方に見せてみたり、先に形にしてしまうんです。例えばTwitterでも最近「こんな絵を描ける人いませんか?」という投稿をよく見ますが、「私描けます!」よりも「私、こんな絵をもう描いてみました!」ってリプライした方が話が早いですよね。やりたいと手を挙げるのが第一歩だとしたら、もう一歩踏み込んで「もう作ったので見てください!」をやってしまうんです。

■自分だけの「独自性」を持つ

こうした「やりたい仕事」を獲得するために、重要な要素でもある「独自性」。お2人はどのようにしてそれを知り、活かしてきたのでしょうか?

柿内:73人のシェアハウスにファーストペンギンとして入ったんです。コミュニティマネージャーみたいな感じで、村長のような存在として動いていました(笑)。イベント時には仕切るし、声をかけて皆と繋がって全員と話す。誰もハブられないような心地よい空間を作ろうとしてやっていたんですが、その時に「私が間に入ることによって、知り合いじゃない人同士も知り合いになれるんだ。これが私のできることだ」と気づきました。

サタケ:僕は人物の絵や説明図みたいな絵のお仕事もしていますが、foriioに載せている仕事は動物の絵など考えて出しわけるようにしています。できるだけ自分が思う方向に仕事を呼び込むために、ツールごとに使い分けています。Twitterは割と雑多な感じですが、Instagramとか海外向けのBehanceとかではそこにいる人に向けていますし、foriioには今見てほしい旬な仕事だけを厳選しています。その他にシーズン別などでも試していて、今年(※2019年)もクリスマスの仕事のお呼びがかかりそうな時期にクリスマスの絵をいっぱいSNSに出したんですが、そこからお仕事を1件頂いたんです!ボツになったクリスマスの絵があったのですが、諦めきれなくて「誰か使ってください」としつこく出していたら、そのまま使いたいと言ってくれる人と出会えて。なんでも諦めないことですね。

■無意識の喜びの中にある「やりたい仕事」の原点

来場者の方からの質疑応答では、「好きなことを仕事にする」手前でどうやって自分の「好き」を確信したのかという質問がありました。

柿内:私は岡山県生まれで、本当に周りに田んぼしかない、アートなんか全然ないところでに生まれて、高校時代にはZipper等の雑誌に憧れて育ってきたんです。その頃から雑誌が大好きで、気に入ったページだけを集めてキュレーションして、一冊の本を作ったりしていました。
18歳のときから関西に出て、カフェで雑誌を読んで「あー、都会にきたー!」と思っていたんですが、東京に来たら数倍以上のカルチャーがあって。雑誌で気になるものや人を見ては実際に行動していましたね。あとは小さい頃ぬいぐるみが大好きで、ぬいぐるみを並べて、この子とこの子が親子とか、カップルとか設定して相関図を書いていました。それが今の取材時やイベントをする時のアサインに繋がっているなと思います(笑)。今「メディアはお金にならない」と言われていますが、そこをどうしたらお金になるのか考えてスポンサー探したり、苦しいことでも自分が好きな気持ちの方が超えているからやれています。

サタケ:子供の頃の体験に原点がありますよね。僕も小さい頃、転勤少年だったんです。なので毎回、自分を知ってもらうために、当時漫画が好きだったこともありノートに絵を描いていました。それを見た子達が「何描いてるの?面白いね」って集まってきてくれて、そのノートが色んな人に貸し借りされるうちに、みんなと仲良くなれたという経験があります。考えてみたら、誰かに知ってもらう時に絵を自己紹介みたいに使うことも多くて、ずっとコミュニケーションツールとして使っていたんですね。それは今も一緒で、絵は「あるひとつの自分をわかってもらえるもの」。それで人が集まる。絵を介して人と話すことが好きで、それがたまたま今は仕事になっている。じゃあお金貰わえなかったら描かないの?というとそんなことはありません。お金はもちろん欲しいですけど、お金がなかったらやらないのでは続かないと思うので、僕も昔無意識でやっていたことがやりたいことに繋がっているんだなと思います。

■お二人の「#私はこんな仕事がしたい」

最後に、このイベントのテーマ「#私はこんな仕事がしたい」についてお聞きしました!

柿内:「三拠点で仕事がしたい」
今、アートと伝統工芸・民芸、ものづくり、日本を海外に発信していくためにバイリンガルWEBマガジンを運営しています。全部を行き来していますが、日本の表現の価値をもっと上げて海外にもっていけるよう、東京・地方・国外の三拠点で仕事がしたいですね。

サタケ:「動物園を丸ごとプロデュースしたい」
世界中どこかでいいので、動物の紹介を自分のイラストで埋め尽くした動物園をプロデュースしたいです。動物の絵を描き続けていたら、どこかで関係者の方が見てくれるんじゃないかなと思っています。

ーーー

「#私はこんな仕事がしたい展」で行った8つのトークセッションについては、順次不定期にレポートを更新していきます。残りの7つのセッションもお楽しみに!

Text:Shiho Nagashima

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