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【イベントレポート】foriio×Cocoda!「クリエイターズアフタースクール vol.1~本当に意味のあるポートフォリオの作り方~」

【イベントレポート】foriio×Cocoda!「クリエイターズアフタースクール vol.1~本当に意味のあるポートフォリオの作り方~」
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2019/09/05(木)にユニオンテック株式会社にて行われた「foriio×Cocoda!【クリエイターズアフタースクールvol.1】」のイベントレポートです。予定があって会場に来れなかった方、参加した方も是非ご覧ください!

■登壇者の自己紹介

斎藤孝俊(以下:斎藤)
Cocoda!はUI/UX学習サービスで、「誰でもデザイナーになれる」を掲げています。foriioさんがやっているのも、誰でも簡単にポートフォリオが作れるというサービス。目指している世界観は絶対一緒だろうと思っていて、何か一緒にやりたいねという話をしていた所、今回のイベント開催という事になりました。
この「クリエイターズアフタースクール」というのは、クリエイターの「放課後の学び場」をつくろうという事で考えました。ミニマムなサイズ感のミートアップであり、学びの共有の場であり、硬い感じではなくて、参加した人全員がサークルになれるような会にしたいと思っています。で、ちょっと知見を持った人が参加して学びを共有してもらって、皆で盛り上がってもらえればと。今回はvol.1ですが、今後も続けて行きたいなと思っています。
今回でいうと、クリエイターにとってのポートフォリオとは?を最初のテーマにしていました。でも、キャリアのことまで含めてお話出来ればと。何かになりたいって思っても、その方法があまりわからないのではないでしょうか?勝手に集まる情報でもないし、それは自分の傍にロールモデルがいない可能性が高いんじゃないかと思っています。そういう思いをこの場に集まって分かち合うこともできるし、参考にできる人がこの中に居そうな気もするので、キャリアにおける悩みを解決できるような会にしたいとも思っています。

では、登壇者を紹介します!
島田さんからどうぞ。

島田真寿美(以下:島田)
島田と申します。
プロフィール「美大 → デザイナー/PO → LIFULL HOME`Sディレクター/新規事業P → PM → いろんなスタートアップのPM・UI/UX設計・戦略お手伝い。CREATIVE X運営。」(本人Twitterより参照)
現在はプロダクトの立ち上げの所をお手伝いをしてます。
キャリアとしてはデザイナーからディレクターになってPMになってと色々やっているので、デザイン一本でなく横展開していったということがお話できるかなと。
今日の「ポートフォリオ」というテーマについて言うと、私実は面接で落ちたことがなくて。そのポイントがポートフォリオだったと思っているんです。

斎藤
それ、先にTwitterで言ったらよかったですね(笑)。ちなみに何社ぐらい関わっているんですか?

島田
10社ぐらいですかね。スタートアップが多いです。

斎藤
島田さんは元々は大きめの組織にいて、スタートアップで働いた経験もあって、今はフリーでUX設計の支援をしている、というキャリアなんで参考にしてもらえればと。

では、次は山田さんお願いします。

山田寛仁(以下:山田)
foriioの代表をやっている山田です。10年ほど前に、デジタルハリウッド大学のグラフィックデザイン科に通っていて、そこからデザイナーになりました。1社目は中小規模の広告制作会社に入って新規事業に関わり、その後スタディプラスというスタートアップでは立ち上げを経験しました。その後友人たちともう1社立ち上げた後、フリーランスに。フリーになってからは、アイドルのクリエティブディレクションだったり、アニメに関わったり、スタートアップだったり、結構幅広く活動していましたね。
その中で、デザイナーだったらポートフォリオを自分でデザインできるし、WEBサイトも自分で作れるんですけど、でもWEBを使いこなせるクリエイターばかりじゃない、スタイリストさんなど全員が使えるポートフォリオサービスが作れたらいいなと思って、とにかく簡単なポートフォリオサービスを作りたいと思って立ち上げたのがforiioになります。

斎藤
めちゃめちゃ良い話ですよね。使いたくなりました!

山田
登録増えてるんだろうな~(笑)。(参加者の人数を数える)。

斎藤
デザインだけではなくて、もっと広い領域でのポートフォリオですね。
では最後に、粕谷さん宜しくお願いします。

粕谷希美(以下:粕谷)
はい、多摩美術大学を卒業して、現在はユニオンテックでデザイナーをしている粕谷といいます。
今日は宜しくお願いします。

斎藤
僕の説明はもういいかなって感じですよね(笑)。
Cocoda!は、キャリアにしろ学習機会にしろ、「やりたいと思ったら誰でもやれるべきだ」という思想をもっています。クリエイターになりたいと思っても辞めてしまう人が多いので、それを「やる気がなくなったから」以外の理由で辞めさせない、誰でもやりたいならやれるような環境を作りたいと思っています。それで学習コンテンツを置いていたり、こういう形で知見を共有する場を設けたりして、初心者だとしても仕事を獲得できるように、今はUI/UXという所をメインにやっている感じです。サービスデザインを目指したい人の支援を出来ているんじゃないかと思っています。

■foriio、Cocoda!、それぞれのサービスのポイント

斎藤
では進めていきましょう!
まずはforiioについてとCocoda!についてを簡単に紹介したいと思います。
山田さん宜しくお願いします。
foriio – すべてのクリエイターにポートフォリオをforiio(フォリオ)は、今迄のあなたの実績を簡単にまとめられる、クリエイターのポートフォリオサービスです。新卒・転職時www.foriio.com

山田
僕たちは「個のクリエイターをエンパワーメントする」をビジョンに、個のクリエイターが働きやすい環境を作りたいという想いから始まった会社です。仕事って「何が出来るの?」ということから始まるのがほとんどで、ビジネスマンであれば履歴書があるのに対し、クリエイターは文字面だけでは伝わらない。なので、こういうポートフォリオサービスを作りました。
「それがあって初めて世界が広がっていく」という最低限の部分は、それこそCocoda!さんと同様に「誰でも、作れないという事がない」という事が重要だと思っています。
なので、foriioは作品の追加・アップロードをもの凄く簡単にできるようにしています。デザイナーさんだとフォトショップやイラストレーターで作った画像を変換してSNSにあげるのとかは全然苦じゃないと思うんですけど、業界全体をみるとフォトショップやイラストレーターを使わないクリエイターさんも沢山います。ヘアメイクさん、スタイリストさん、舞台美術さん、照明さん…、そうした人たちと撮影で一緒になると「ホームページを作ってください!」と言われる事がとても多かったんです。一人一人に作ることは出来ないので、皆が使えるツールを作りたいと思いforiioを作りました。
フォトショップなどからの変換も勝手に最適なディスプレイにしてあげられるようになっていたり、単純に作品をあげるだけでなく、その人のスキルがちゃんとわかるようにクレジットを書けるようにしています。ロゴをやったのか?イラストをやったのか?そうした事が分かるようにしています。
あとは役割だけでなく、作品の制作にまつわるストーリーを描く事ができます。その人の人となり、制作におけるアプローチも重要な部分なので、そこも掲載できるようにしています。
こうした形で、すべてのクリエイターのスキルが詳細に可視化されたプラットフォームを目指しています。
今年の1月28日にリリースして、現在3,700名以上のクリエイターさんに使ってもらっています。今は単純なポートフォリオサービスなんですが、ポートフォリオはあくまで個人の人たちの活動が広がるきっかけでしかないので、その先のサポートをしていきたいと思っています。例えば就職・転職の際に活用して頂いたり、その人のスキルをみて仕事をお繋ぎするようなことをしていきたいと思っています。こんな感じのページを作れるようになっています(山田さんのポートフォリオを見ながら)

斎藤
めっちゃ良いですよね。この右のものは新しい機能ですか?

山田
これは7月ぐらいにTwitterのデザイナー・イラストレーター界隈で流行ったハッシュタグ「#私はこんな仕事がしたい」の発想をベースにしています。ハッシュタグをつけて自分の作品を投稿するというものだったんですが、めちゃくちゃバズってBuzzFeed Japanの記事になったりしたことで、そうか皆そういう想いがあるんだと気づきました。依頼する側からしても、皆知りたい部分なんですよね。ここについてはまた後で話しますね(笑)。

斎藤
いいですね。これがあるから、ここで相談も出来て仕事も出来るようになると。
友達のトラックメーカーとかも使いたいと思うかも。(foriioは音源のUPも可能) Cocoda! – あなたがクリエイターでいられる場所 cocoda-design.com

Cocoda!の方も紹介させてもらうと、誰でもクリエイティブになれる場所を目指していて、皆ががむしゃらにやっていたことをもっと知見として集約できるんじゃないかと思って作っています。
僕らはお題を出すような形でサービスデザインなどについての学習機会を提供していて、スライドや動画で真似しながら誰でも作れるという形でやっています。サービスを作ってみたい、アプリを作ってみたいとなった時って、最初の「手を動かす」という部分が一番ハードルが高いんですけど、それがCocoda!があるから出来るという。僕の発想としては実践しないと意味がないと思っているので、UI/UXにフォーカスした内容でコンテンツ・お題を沢山用意しています。それらをやっている間にUI/UXデザインが出来るようになっていって、企業と一緒にワークショップをやったりして、さらに仕事に繋がっていく、というサービスです。
作りたいという人が集える場にしたいと思っていて、それこそ仕事で関わって無いからforiioにあげる内容が無いよ!(笑)という方もいると思うんで、そういう時にやりたい仕事を手にするためにCocoda!で学習する、みたいな感じなのかなと。
最近企業の人事の人からも、「Cocoda!の作品を持ってくる人が増えた」と聞いてます。デザインがもっととっつきやすいものになればいいなと思っていて、今全部で約1万人ぐらいが登録してくれています。

ではここからはゲストトークに移りましょう。

■それぞれのポートフォリオ紹介 

今日はせっかく参考になりそうなキャリアを持っている3人が来ているので、3人それぞれのポートフォリオを見ながら、「どうやってポートフォリオをつくっているの?」という話を聞いていければと。
ゲストトークの項目としては、この3点を聞いて行きたいと思っています。

 ①ポートフォリオとはそもそも何に使うのか
   …なんで作ろうと思ったのか?
 ②どのようにポートフォリオを纏めればよいのか
 ③どうやってポートフォリオをつくっていけば良いのか
   …どういう内容を乗せるのか?
    題材がない・仕事でやってるものは載せられないなどの場合
    どうするのか?など

最初は島田さんから、この3点について聞いていければと思います。

島田
「①ポートフォリオとはそもそも何に使うのか」というと、4社経験があってその転職のために作っていました。現在はフリーなので、「島田って何者?」という時に相手に分かるように用意しています。スキルを伝えるためにポートフォリオで作品だけを見せるというよりも、自分はどういう考えでどういうものを作っていたかとか、今後どういうものをやっていきたいのかなどを踏まえて作っていました。
今実は実際に使っているポートフォリオは無くて、ずっと最近はWantedlyを使っています。ほぼほぼ紹介や知り合いづてなので、要望があればこのページを共有しています。

斎藤
どの辺を見られている感じがありますか?
①については、仕事をするパートナーに対してコミュニケーションをしやすくするためという感じ?

島田
そうですね。

斎藤
自分が何者かが伝わり、信頼を得て、じゃあ仕事を依頼しようっていう感じですよね。意識して纏めている所はありますか?

島田
根絶してみたいことがあって…

斎藤
このクソUIっていうやつですか?(笑)。やばい、Cocoda!潰される…?(笑)。

島田
ビジョンとか、会社がやりたい事とマッチしないと働いても上手くいかないので、そこの擦り合わせは最初にしておかないと。合う合わないの価値観を重視していますね。

斎藤
「こういう仕事を私はするんですよ」っていうのを、最初に示しておくという事ですね。

島田
そうですね。ものをお伝えするというよりも思想をお伝えして、そこで共感して一緒にできるのかを擦り合わせたいと思っています。

斎藤
最初はその共感だったりやりたいことの一致をみるんですね。後から「何が出来るんですか?」という話になるんでしょうか?

島田
そうですね。そういう時は実際に作ったものをお見せします。でもあまり言われないかもしれません。

斎藤
信頼の得方が凄い!(笑)。何でそんなに信頼されてるんですか?

島田
(知り合いの)紹介だからっていうのはあるかもしれないですね。

斎藤
そもそも「こういう仕事をしていた人だから大丈夫だろう」っていうスキルの信頼はあって、その上でやりたいことが合うのかな?っていう所を話してマッチするか見るんですね。ちなみに、スキルの部分を証明するときは何を見せているんですか?

島田
スキルを見せる必要がある場合は、その会社さんで担当しそうな内容に合わせて、その時必要そうなものを作る感じですね。今までやった仕事の企画書をスクショを撮ってお見せする時もあります。

斎藤
なるほど。山田さん的にはどうですか?foriioを使えよって思います?(笑)。

山田
やっぱり思いますよね(笑)。でも僕もWantedlyはよく使っていて、長島さん(foriioのセールスチームメンバー)と知り合ったのもWantedlyです。僕らもスタートアップなので、やっぱりヴィジョンに共感してもらわないといけない。「スタートアップって面白そう!」って人はいるんですけど、やっぱりそこのビジョンにどハマりしてくれる人以外を雇う余裕がない。それ以上にのめりこんでくれる人でないと。

斎藤
確かに、あまりスキルを見ないことが多いかもしれないですね。同じ目線をもってるかとかで任せたいってなるので。スタートアップあるあるなんですかね。力というよりビジョン。

粕谷
「クソUIの根絶」について具体的にお聞きしたいです(笑)。

島田
言葉は悪いんですけど(笑)、大手企業から受託した開発会社が、ユーザーのことをあまり考えずに機能要件だけ満たして作ったんだろうな、っていうアプリやサービスを使うと私はストレスです。要件通りに動くものを作って、大きなお金をいただく。間違ってはいないしクライアントからの要望にも答えてはいるけど、ものづくりのプロとして、どうしたらユーザーがよりファンになってくれるか、良い体験を届けられるかという価値提供をクライアントに提案・協議して、より良いものを作ってほしいと思っています。

斎藤
ちょっとピリっとしますね(笑)。

島田
ちゃんと思想を持って、「だからこういう風に作ってるんだよ」っていうのがあればいいんですけど、「ちゃんと考えてるのかな?」って疑問に思うようなものはちょっと…好きではないです。

斎藤
仕事を得にいきたいシーンだと思うんですけど、そういうテーマってどういう感じで話すんですか?もしくは、価値観が合う所としかやらないのか。

島田
そうですね、そこは結構大きいかも。価値観が合わないとちゃんと仕事出来ないと思うし、お金儲けをしたいんじゃないんだっていう。その仕事の仕方を話します。

斎藤
話していて盛り上がった企業さんはどういう感じでしたか?

島田
実際にこれを見ながら話したことはないかもしれません。昔転職活動をしていた時は別のポートフォリオを作っていました。当時のものは残ってなかったのですが、LIFULLの時にアプリの部署から別の新規事業部へどうしても移りたくて、それを伝えるために使ったものがあるのでお見せしますね。
これは1時間ぐらいでぱっと作ったんですけど…
(島田さん【なんで部署異動したいのか?】というスライドを見せる。)

一同
(笑い)

島田
これが私の思想ですね。こういうプロダクトを作りたいと。この時は新規事業部では人は入れれないかもって感じだったので、どういう事なら貢献できるかなと考えて、熱意だったり通りそうな内容をまとめて提出しました。やっぱり熱量をもって、その企業さんに対して発信してくれたり作ってくれたりってめちゃくちゃ刺さるというか。こういう風にやりたいから入りたいんです、っていうのを伝えています。

斎藤
一番ベーシックな想いというか、その企業でやりたいことをこういう風に毎回纏めているんですね。

島田
そうですね。私はデザイナーとしてめちゃめちゃイケてるものを作れるかというとそうではなくて。ただどうしても転職したかったり、勝ちたかったりっていう所から、こういう風なアプローチをしていました。

粕谷
これが「落ちない秘訣」ってやつですね(笑)。

斎藤
面接に行く企業のUIを勝手にデザインして、っていうのは最近よく聞きますよね。
では、「③どうやってポートフォリオを作っていけば良いのか」について教えてください。

島田
どうしたいのか?何をしたいのか?の目標があった上で、ポートフォリオを作る必要があるのかなと。ただ作ったものを纏めるっていう事でもスキルは伝わるけれど、そのスキルがあった上でどうしていきたいのか、っていう事を文章に出来るかどうかもポートフォリオの一部なので。キャリアチェンジする場合は次のキャリアでの実績がない場合もあるので、そういう時こそ何をしたいかを伝えることが重要だと思います。

斎藤
ありがとうございました!
では次は山田さんのポートフォリオを見ていきましょう。まず①について聞いていければ。

山田
ぼくは結構Cocoda!さんに共感する部分があって、「(ポートフォリオは)クリエイターにとってのパスポート」っていうところ、完全に同意です。それが新しい会社であったり、学校に入る時にも必要だと思うんですけど、就職・転職など新しい機会を掴むためにも必要なものだと思っています。
僕の場合はフリーランスになるタイミングがあったので、新しいクライアントさんに会ったり、案件獲得のために使うことが多かったですね。気になった人が見た時に、僕が何者で何が出来るのかを把握してもらうために使っていましたね。

斎藤
興味を持ってもらうっていう役割もあるんですかね?

山田
そうですね。知り合いづてで案件をもらうこともあったんですけど、特にフリーでやっていた時は広告制作会社や広告代理店だけでなく、地方の中小企業の社長さんのお仕事とかもあって。そうなると、僕がデザインについて目線を一緒にして「こういう風にデザインしたら、どう売上に繋がって利益があがるのか」っていう事をわかりやすく伝えなくちゃいけなくて。それをいつでも出来るように、オンラインで見られるポートフォリオを常に公開していました。

斎藤
こういう風に出来るんだ、っていうのを一瞬で伝えられるのはクリエイターの特権ですよね。

山田
そういう所に知見がある人だと、それよりも結果や過程が気になると思うんですけど、そうではないクライアントさんの所に行きたい時は、ロゴにしてもビジュアルにしてもぱっと見せられた方が早いというのはありますね。

斎藤
(ポートフォリオを見ながら)アイドルカテゴリーってあるんですね(笑)。
次の質問「②どのようにポートフォリオを纏めればよいのか」なんですけど、特に山田さんは幅広い案件をやってきたと思うんですけど、ポートフォリオの纏め方ってどうしていますか?

山田
僕も特にフリーになってから強く思ったんですけど、やっぱりその事業やサービス、コンテンツに自分の時間やスキルを使いたいと思える仕事をやりたいので、それが伝わるようなものを選んでました。

斎藤
色々ある仕事の中からも、「これがやりたいんだ」っていうものを選んでいるんですね。

山田
僕はアイドルとかアニメとかが好きで、そっちの仕事をしたかったので、それに繋がるようなものを選んでいましたね。

斎藤
逆に載せていないものもあるんですか?

山田
あります。結構ありますね。

斎藤
何でもかんでも詰め込めば良いってことではないんですね。

山田
特にフリーランスだと、何でも屋になってしまうと辛いので。「〇〇なら山田さんだよね」っていう自分のブランドを作るというか。どうやったら生き残れるかという戦略です。

斎藤
めちゃくちゃシビアですよね。ユーザーさんに今使用者が少ないカテゴリーとか教えてあげたらいいんじゃないですか?(笑)。「今アイドルカテゴリー空いてるよ!」みたいな(笑)。

山田
そういうのはやっぱり戦略がありますよね。僕はアイドル関係の他にスタートアップなどもやっていたので、そういうタイプの所には受けが良いというか。Gateboxっていうガジェットを作っている所とか。動画の制作進行とかも幅広くできると伝えると、そういうカルチャー系のスタートアップからまるっとお仕事を頂けるんです。

斎藤
よく僕たちがサービスデザイナーになりたい方から聞かれるのが、「ポートフォリオにUI/UX以外のものを載せるのってどうなの?」みたいな話なのですが、例えば美大に行って写真をやっていた人がポートフォリオに写真を載せても、実際にはそのスキルは使わないんじゃないか?みたいな。山田さんはどう思います?

山田
ポートフォリオってやっぱり「自分がどこに行きたいか」が重要なので、そこをどうプランニング出来ているかが重要なのかなと。UI/UXデザインがやりたいならそれでいいし、イラストをやりたいならそれも必要だし、企業の方に会う準備という風に考えたら良いと思います。
イラストもどういうイラストを描くのかなどその人によって異なるので、そういうのを見せるのも良い判断材料になるかもしれません。スタートアップだと、UI/UXで募集していても、実はイラストもお願いしたいという事もよくあるし。逆にやりたくないものは隠すという場合もありますね。

斎藤
言われてみてからこれを観ると、アイドルの仕事めっちゃやりたいし、やってるんだなって思いますもんね(笑)。逆にそれ以外の仕事のお願いはしづらいかもしれないですよね(笑)。敢えてそういう戦略なのか!

島田
ポートフォリオの他にTwitterとかも見ますよね。学生さんでもしっかりした発言をしている人だと、お願いしたいなと思う事があります。

山田
僕たまに愚痴っちゃうんですけど(笑)、僕もTwitter使いますね。最初はアイドルの仕事なんて無かったんですけど、アイドルのことツイートしたりPVをRTしたりしていたら、監督が「アイドル好きだよね?」っていってくれて(笑)。それが僕の知人で、彼がアイドルのプロデュースをすることになった時に僕も参加する事になって。やっぱりコンビネーションですよね。

斎藤
島田さんの時も思いましたけど、作品云々というよりは自分のPRというか、コミュニケーション媒体というか。誰かが自分の噂を流してくれるのも広義のポートフォリオというか。

山田
そこにも順番とかあると思うので、それらを整えるスキルというか。まずはベースのスキルがあるから、アイドルの仕事も出来るし、まずはその土台を固める必要もあるのかなと。

斎藤
③に繋がる話ですよね。

山田
まさに、耕していく感じはありますね。「これだけのスキルがあるから、こっちの方向をやりたいんだよね」っていうのを合わせて見せていくというか。それこそCocoda!さんで作ったりして、耕していくというか。アイドル系の仕事が無かった時とか、ももクロちゃんのサイリウムとか勝手に作ってました(笑)。でもそれがあったら「うちのも作ってくれるのかな?」て思うじゃないですか(笑)

斎藤
今自分のしたい仕事を出来てるなって思いますか?

山田
思いますね。僕は広告制作・広告代理店と仕事をしていて、もっと深く事業にコミットしたいと思っていたんですよね。もっと欲が出てきて、根幹から事業に関わりたい、そして自分も作り続けたいと思ったんです。

斎藤
ありがとうございました!
では最後に粕谷さん宜しくお願いします。

粕谷
今回お見せするポートフォリオは、大学時代から作り始めて、就職活動で使用したものです。大学で制作した課題作品、また、自ら課題を考え制作したものを中心に構成されています。

斎藤
大学のときに作っていたということは、ユニオンテックさんに入るときに作ったものですか?その後も自分の整理のために使っていたり?

粕谷
そうですね。①の質問の回答としては、私も就職活動のためにポートフォリオを作りました。ちょこちょこブラッシュアップはずっとし続けて、結果的にはポートフォリオを制作しているうちに、内省をする機会になり、自分のやりたいこと・得意なこと・出来ることをいつでも確認できるものにもなりました。就職活動や仕事のために使用するもの、という観点でいうと、ポートフォリオは「コミュニケーションツール」であると思っています。
それを見てくださった方が、その全体感やレイアウトなどから、制作者がどんな人なのか、どんな仕事がしたいのか、どんなことが出来るのかを推し量れるものというか。

このカレンダーは、大学時代主に紙媒体を扱ったデザインの勉強をしてきたので、その集大成として作りたいと思ったものです。でも大学当時は課題作品を紙の種類とか、印刷のノウハウとか、知識と制作の経験値が凄く活きる領域と捉えてて、とにかく作って技術を極めることに努めてて、職人ぽい感じだったので、作品も、作品をまとめるポートフォリオもどんな風に作ったら良いのか、凄く悩みました。
最初はポートフォリオって、「完成度がある作品をまとめて、技術提示をする」みたいなイメージが漠然とあったのですが、ポートフォリオを制作しながらやりたいことを整理していくうちに、それは制作者の目的次第と気が付いて。それこそデザインだと。なので、自分の目的は、就職活動の為。美しいものを単に提示するのではなく、どういうプロセスを経て作ったのかを見れて、見る人も「この人はこういうのを作れて、その過程や考え方もわかる」という、見る人とのコミュニケーションを介在させることを意識しました。また、作っているうちに自分の中で目的や、なんで作ったのかとかも整理できるし、相手にも伝えられるかなと。

斎藤
たしかにこういう風に纏まっていると、次にクリエイティブを作るときも思考プロセスをトレースしやすいですよね。作っているときは自分の創造性でつくるけれど、あとからポートフォリオをつくるときにその過程を言語化するというか。

粕谷
自分でもそのプロセスを纏める機会になりますよね。制作する作品は好きな事で作って良いんですけど、ポートフォリオにまとめる時は意識しました。
ゼロから自分でやるんだったら、なんでこのアイディアにしたのかとか、解決したいことは何なのかとか、じゃあ完成はしたけど次に活かせることは何なのかとかを考える。そのプロセスってチームで仕事をするときにも同じで、ひとつプロダクト作って、何か問題がおきて、その解決方法のアイディアを探って、またブラッシュアップして…、っていうのを自然と考えますよね。だから、企業で働きたいなと思った時、「この人を採ったら、今後そうしたプロセスに参加できるか?」っていうのを伝えられるかなと。

斎藤
確かにこれを持って来てそれぐらい語られたら、めちゃくちゃいいなと思います。

粕谷
意図なくただキレイな作品をばーっと並べているだけじゃなくて、どこでコミュニケーションをとりたいのか、どこでコミュニケーションを作ってあげられるかはポートフォリオの構成で必要なポイントなのかなと。

ポートフォリオとは別なんですけど、「③どうやってポートフォリオをつくっていけば良いのか」について別のものを。これは、自分がやりたいことややりたい業界がどこなんだろうと整理するために作りました。
私はインテリアとか暮らし・住まいとかが好きで、その魅力を引き出すデザインをやりたいなと思っています。そこで、実際の家具メーカーさんをイメージしながら自分で勝手に企画を作って、その制作を通して自分のやりたいデザインがどんなものなのかを表現しようとして作ったものがあるんです。
この中では「どうしたらもっと家具が売れるようになるか」、色々考えました。こういう課題だったら自分はこう作るかな、どうやったら家具が売れるかなということを考えてて、未来の企画を考えました。
家具って人生の中でそんなに頻繁に買わないですけど、本当は定期的に購入して欲しいし、どうやったらそこに結び付けられるかなと考えた時に、記念日に結び付けて買った家具のメンテナンスでまた来てもらうという方法ならあるかなと思って。あと、家具を買うという事を「自分たちにとって嬉しいこと」にしてもらって、家具のイメージをあげたいと思っていました。
「手紙」を使った企画なんですが、結婚を控えたカップルが相手に手紙を書いて、店舗にこの手紙を持ってくると預かってくれて、1年後に新居にその手紙を届けますというものです。新居に住んだときに、1年前に描いた手紙が届くというサービスで新居の家具を買ってもらおうという狙いなんですが、1年間はこのカップルはそのブランドとの関わりが生まれるので、情報を送れるし、手紙を預けていることで思い出してもらえるので、それを家具の購入機会に結び付けられるんじゃないかなと。

斎藤
めちゃくちゃいいですね!

粕谷
住まいとか暮らしに役立つものでアウトプットを作っていくことで、どういう所でデザインをやりたいのかを示す例になるというか。でも、なんとなくあるけれどやりたいことが具体的にはまだわからない時、やりたいことがあるけどそのために何をすればわからない時、全てゼロから課題を考えるのが大変な時、きっとあると思います。そういう時に、是非Cocoda!さんの課題をやってみるといいのかなと。(さらっとCocoda!さんの宣伝)

斎藤
えー、そういう感じでしたっけ?(笑)。僕、雇いましたっけ?(笑)。
でもほんとそういうのありますよね。自分でつくるんだったらこれぐらいコンセプチュアルで、やりたいことに近いお題を作るといいですよね。

山田
なかなか出来ないですけどねここまで(笑)。学生の時に、ここまで大元から考えて最終的にお客さんとクライアントのコミュニケーションを考えられるとは!僕が作ったのなんてサイリウムですからね(笑)。

斎藤
でもやっぱり自分がやりたいテーマに対して何か作ってみるっていうのは共通していますよね。「この場にいきたいからこれを作るんだ!」っていうスタンスが大事なんだなっていうのは強く思いました。

粕谷
UI/UXの方向に行きたいと思っているんだったら、企画力とかそういう方向のものをもっと見せていって、全部任せられるという事を示せすと良いのかなと。

山田
粕谷さんはフリーになっても全然大丈夫ですね。

ユニオンテックのスタッフさん
困ります!(笑)。

山田
あ、すみません(笑)。でも本当に、こういうのがあったらいいという事を示す時、デザインの価値を理解してもらう必要がある時に、「かっこいいでしょ」では伝わらないんですよね。こういう事をやると、お客さんはこうなりますよねという事を示してあげないといけないので、僕はそこに結構苦労しました。

斎藤
有難うございます!では時間になってしまったので、ここでトークセッションは終了にしましょう。
皆さん有難うございました。

最後は参加者の方々のポートフォリオを、登壇者に見てもらうワークショップのようなプログラムを行いました。

島田さん、斎藤さん、粕谷さん、参加者の方々、イベントの運営をお手伝いしていただいたスタッフの方々、会場を貸していただいたユニオンテック株式会社様、ありがとうございました。

Text&Edit :Shiho Nagashima & Soh Iwamoto

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