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セミナーレポート「デザイナーぶっちゃけトーク〜今活躍する4人が考える、デザイナーとしてのありかた~」#sdnight

セミナーレポート「デザイナーぶっちゃけトーク〜今活躍する4人が考える、デザイナーとしてのありかた~」#sdnight
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こんにちは、foriio長島です。
今回は、先週7月24日(水)に開催されたセミナーイベント「デザイナーぶっちゃけトーク〜今活躍する4人が考える、デザイナーとしてのありかた~」についてのレポートをお届けします。

株式会社rootさんの主催で開催された本イベント。(https://techplay.jp/event/739658)
様々なキャリアを持った現在活躍中のデザイナー4名が登壇し、「自分らしいデザイナーとしてあり方」について語るとあって、会場には「事業会社所属のデザイナー」「デザイン会社所属のデザイナー」「フリーランスで活躍するデザイナー」など、様々な形でデザインに向き合うデザイナーの皆さんが約50名ほど集まり、非常に熱量の高いイベントとなっておりました。

今回の登壇者はこちらの4名。
・株式会社ピースオブケイク デザイナー 沢登 達也さん
・Tigerspike株式会社 UX Designer 川合 俊輔さん
・株式会社root デザイナー 手塚 瑛さん
・デザイナー 細川 絵理さん
そしてモデレーターはデザイナー・コンサルタントであり、『Experience Points』などの著書の出版もされている長谷川 恭久さんがご担当と、とても豪華なメンバーが集結。それぞれ異なるキャリアを築いてきた4人それぞれのデザイナー像が垣間見えるトークセッションとなりました。

■Session1 : デザイナーとしての深堀どころ
―Tigerspike 川合 俊輔 × root 手塚 瑛

今回はゲスト2人ずつのペアで、1つのテーマについて語りあうトークセッション形式。最初のテーマは「デザイナーとしての深堀どころ」について川合さんと手塚さんが語り合います。

手塚瑛さん:
ヤフー株式会社に入社し、Yahoo!のサービス運営やGYAOへの出向を経験したあと、現在のrootに1年ほど前に入社されたという手塚さん。
そのヤフー/GYAO時代、フラットで皆が意見を出し合う文化があったものの、場合によってはそれが上手く機能しないケースもあり試行錯誤を繰り返してきたといいます。
サービス改善やプロモーションをメインに、ロジカルにPDCAを回す事を重視して業務に取り組む中で、デザイナーとしてのアイデンティティに悩んだ時期もあったそうですが、そうした事業会社での経験の中で「ある程度プロ意識をもって、責任を持てる担当領域を自分の中で作る」ということを心がけてきたとか。
特に、最後の質疑応答で出た「新規サービス/新規事業でのデザイナーの立ち位置・動き方は?」という質問に、「まずは“世に出ること”を優先に考えるべき」と答えられていたのが印象的でした。
まさに事業会社の中で、事業に関わるあらゆるメンバーと衝突しながらも、一つのサービスをより良いものとして「世の中に届ける」ために奮闘してきたからこその視点。
相手の求める内容を一旦形にし、その上で自分の意見も踏まえて議論を発展させていくというクライアントとの向き合い方にも、事業会社での経験が活きているように感じます。
デザイナーを「複雑なものを簡単に見せ方で表現出来る。退屈なものを楽しく見せ方で表現出来る」ものだとする視点は、こうした様々な試行錯誤の積み重ねの中で生まれてきたものなのだと感じました。


川合俊輔さん:
今回の登壇者の中でも一際「チームリーダー」的経験を重ねられている川合さん。ジャストシステムでUXデザイナーとして活躍後、2017年から現在のTigerspikeに勤務されています。
「デザイナーは一番ユーザーの事を知っている人であるべき」という川合さんは、定性インタビューで「なぜその行動をするのか?」を100%引き出すことを大切にしているそう。
そうして得た情報の中からチームメンバーと共に仮説を出しあい、皆でそれを検証し、様々な視点を集約してゴールへともっていく。このプロセスをまとめあげる能力が、川合さんの大きな強みであり特徴なのだと感じました。
以前はどの強みを尖らすか悩んでいたということですが、「広く薄く出来ること」が自身の特徴であり、どこかを尖らせるのではなく「視野の広さを伸ばす」という事の可能性に気づいて、現在のファシリテーション能力へとつながっていったといいます。
そのための、意見を言いやすい環境づくりなどにおける数々の工夫には、ファシリテーションが如何にサービス・プロダクト開発において重要な役割を果たしているかが滲み出ており、会場のデザイナーの皆さんの中でも「デザイナーとしての深堀どころ」としての「ファシリテーション」に非常に注目が集まっていました。

■Session2 : そもそもキャリアって考えるものなのか 
           ― ピースオブケイク 沢登 達也 × 細川 絵理

続いてのテーマは、デザイナーの「キャリア」について。

沢登達也さん:
デザイン系専門学校を卒業後、ウェブ制作会社、サービス制作会社などを経て、現在のピースオブケイクでnote担当デザイナーとなった沢登さん。
沢登さんいわく、制作会社から事業会社に移ってもっとも変わったのは「情報量が多い」こと。
デザインとして整理すべき対象が格段に増えたことは、デザイナーにとって良いことであり、それらを整理し、組織に対する課題意識を重ね、自分なりの考えを持つことで「自分事化」していく大切さを感じているそうです。
制作会社の頃は事業の実情について見えない事が多く、もっと深い事情を知りたい、事業に関わる様々な職種の人と仕事がしたいという思いがあったそうですが、そんな思いから転職して事業会社デザイナーとなった現在はデザインを「していない」!?
その発言に会場も「えっ!?」という反応でしたが(笑)、正確にいうと、プロダクトに向き合うというよりも、「プロダクトに向き合っている人」に向き合ってっているのだそうです。
現在5人いらっしゃるデザイナーは全て担当している事が異なるため、彼らデザイナーを底上げし,鼓舞し、マネジメントすることに、同社に入社してから興味が出てきたのだとか。
自分の中から湧き出る興味・関心に従いながら、デザイナー組織のマネジメントという新しい領域で新しい挑戦をする、沢登さんのお話ぶりからそこにとても前向きなエネルギーを感じました。


細川絵理さん:
博報堂アイ・スタジオでクライアントワークの傍ら自社新卒採用サイトのデザインなどを手掛け、DMM.comに転職後も各種新規事業のウェブデザインを担当、昨年からフリーランスとして活躍されている細川さん。
元々転職はあまり考えていなかったそうですが、自社採用ページを作る中で自社事業のデザインをすることに興味を持ち、DMM.comへ転職したことで、他の事業職種の人と話せるようになって世界が広がるのを感じるなど、転職してみたことをきっかけにどんどん世界が広がっていったそうです。
「深くコミットしたい」と「いろいろなものをやりたい」、その時々の自分のフェーズで興味の対象は変わって行きますので、そこはフットワークの軽さを大切にしているとか。
そんな細川さんが考えるデザイナーがやるべき事とは、「色々な人の話を聴いて、理解した上で形に落とすこと」。
その際、まずはコミュニケーションの取り方を大切にし、その中でタイミングをみてプラスアルファの遊び心ある提案や、自分らしい提案を加える事を心がけているそうです。
そうしたコミュニケ―ションのプロセスをしっかりと考えてきた細川さんは、今後を考えるにあたって必要な自身の芯や武器について、定期的に人と会って確かめることで磨くなど、現在では非常に戦略的にキャリアを考えられているように感じました。

こうして、様々な経歴を持つ4名のデザイナーの皆さんが考える「デザイン」や「デザイナーとしてのキャリア」についてざっくばらんな意見を聞くことが出来た「デザイナーぶっちゃけトーク」。
事業会社、デザイン会社、フリーランスなど様々な働き方がある時代だからこそ、「デザイン」をどう捉えるのか?そして、どういう形で関わる事が自分のスキルを最大限に活かせるのか?そうしたことを常に考え、その時々で最適な形を選択することが必要なのではないでしょうか?

もちろんこれはデザイナーの方だけに限った話ではありません。
多くのクリエイターがぶつかり、悩むキャリアの問題。
様々な意見を聞きながら、自分ならどうするのか考えてみる、そんなきっかけを与えてくれる素晴らしいトークセッションイベントでした!

Text : Shiho Nagashima
Edit : Soh Iwamoto

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